アートメイク
アートメイクは肌表面から0.01~0.03mmの表皮層に染料を入れる、一種の刺青のような施術です。刺青は真皮に染料を入れるため半永久的に残りますが、アートメイクは新陳代謝で薄くなっていきます。眉下切開の施術を受けた後、クリニックからアートメイクを勧められることがありますが、それは一体なぜなのでしょうか。ここでは眉下切開とアートメイクの関係性について解説します。
美容クリニックで眉下切開の施術を受けたあと、アートメイクを勧められることがありますが、その理由として考えられるのは、眉毛の薄い人など術後の傷跡を目立たなくする目的で提案されることが多いようです。
もともと眉下切開は基本的に傷跡が目立たない手術方法なのですが、眉毛の薄い人の場合は気になってしまうケースがあります。
眉下切開の傷跡は時間の経過とともに目立たなくなっていきます。また、眉毛が濃くて傷跡が目立たないのであれば、アートメイクをしなくてもよいでしょう。
しかし、眉毛のボリュームが少なかったり薄かったりする場合は傷跡が目立つ可能性があります。眉毛が濃い人でも、手術の仕上がりによっては傷跡が目立つこともあるのです。傷跡を目立たせたくないなら、アートメイクを受けてもいいかもしれません。アートメイクを受けるかどうかは個人の判断なので、手術をした後に決めればよいでしょう。
アートメイクを受けるなら、手術前ではなく手術後にすべきです。タイミング的には眉下切開の施術を受けてから3ヶ月くらい経ってからのほうがよいといわれています。なぜなら、3ヶ月くらい経つと縫合した傷口が落ち着いてくるからです。
眉下切開は目尻に近い眉下部分を切開するため、術後に眉の形や位置が変わってしまうこともあるため、理想眉の形が残せない可能性もあるそうです。この場合、術後にアートメイクをした方が、思い通りの眉の形を作りやすくなります。
もうひとつの理由として、眉下切開を受ける前に肌にダメージを与えないほうがよいからです。針を使って皮膚に染料を注入していくアートメイクは、針で細かい傷を作っていく行為とも言えます。その傷を治そうと免疫細胞が集まった結果、皮膚が硬くなってしまうのです。硬くなった皮膚を切開するのは大変で、術後の仕上がりに影響が出てしまうことも。スムーズに手術を受けるためにもアートメイクは術後にした方が良いといえます。
眉を抜きすぎて眉毛が映えてこなくなった、毎日眉を書くのが大変、そういった理由からアートメイクをすでにしているという人もいるでしょう。アートメイクをしている場合でも眉下切開を受けることは可能です。
しかし、アートメイクによって硬くなった皮膚を手術するのは手間がかかります。腕の未熟な医師や経験の浅い医師がアートメイク後の眉下切開を行なう場合、硬くなった皮膚を避けて手術した結果、傷跡が目立ってしまうなんてことも。アートメイクをされている人で、眉下切開を受ける場合は技術力の高い医師による手術を受ける必要があります。
アートメイクは皮膚に針を刺すため、医療行為にあたります。本来であれば医師免許を保有している者が施術を行なわなければいけません。アートメイクを行なっている場所のほとんどがサロンで、施術をするのは医療免許の資格をもっていないサロンスタッフです。
施術後に万が一痛みや腫れ、内出血などのトラブルが起きた場合、サロンでは対応することができません。眉下切開の傷跡を隠すためにアートメイクを受けたのに、アートメイクのせいで肌にダメージを負うのは元も子もないでしょう。そういった事態を避けるためにも、アートメイクは医療機関で受けることをおすすめします。
眉下切開後にアートメイクを受けるなら手術を受けた3ヶ月後が目安です。ちょうど3ヶ月頃が痛みや腫れ、内出血が引いて傷跡の状態が良くなってくる時期となります。クリニックによっては眉下切開と同時にアートメイクを施すクリニックもあるようですが、手術後の痛みや腫れがひどくなる可能性があります。アートメイクを受けると、眉毛が一時的に濃くなるので、仕事や学校がある人は2~3日お休みを頂いた方が良いでしょう。
アートメイクも良いけど、傷跡が目立たない手術が受けられるクリニック・医師選びも大切!
アートメイクは眉下切開の傷跡をカモフラージュするうえでとても便利だといえます。しかし、時間が経てば色が薄くなるのです。また、傷跡へのアートメイクはうまく色が入らないこともあります。
また、色を抜きたくなった場合に簡単に除去できるものではありません。年齢を重ねることによって、眉の位置が下がり不自然に見えてしまうこともあるでしょう。アートメイクをする場合、それらのリスクを考えたうえで受ける必要があります。
眉下切開後の傷跡を隠すために、アートメイクをするのも悪くはありませんが、初めから傷跡の残らないあるいは目立たない手術をしてくれるクリニックや医師にお願いすることが大切だといえるでしょう。